第10回淡路文化協会文化賞受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞
兵庫県立志知高校郷土芸能部 (郷土芸能部門・だんじり唄、南あわじ市)
1988年に創立以来32年間、福祉活動やボランティア活動に積
極的に取組み、淡路の郷土芸能・淡路だんじり唄の継承や老
人ホーム慰問など年間20回程度の講演活動を行っている。
昨年11月には第29回兵庫県高等学校総合文化祭、福井県で
行われた第25回近畿高等学校総合文化祭に兵庫県代表として
出場した。来年には三原高校との発展的統合を迎え、あと3年で
本校は閉校となる。
◇ 文化奨励賞
黒田 紀子(くろだ のりこ) (郷土芸能部門 南あわじ市)
淡路人形浄瑠璃後継者団体の中核 三原中学校郷土部の顧問として、淡路人形座からの指導とともに、自ら人形浄瑠璃の歴史とその実技を学び部員の指導にあたっている。
現在、淡路人形座で活躍している者の中に三原中学校の卒業生も多い。三原中学校の前は南淡中学校郷土芸能部顧問として8年間活躍していた。本人自身、鶴沢友路師匠について三味線・義太夫を習い、淡路素義審査競演大会に出演し平成13年には第26代横綱になっている。
◇ 文化奨励賞
「ザ・サースディナイトジャズオーケストラ」
(音楽部門 洲本市)
1986年に結成し、今年で20年目を迎える島内唯一の社会人ビッグバンドとして、年間10回程度 老若幼、場所を問わず出かけて迫力あるサウンドを披露してきているアマチュアジャズバンド。
1997年には明石海峡大橋開通記念前夜祭 「淡路ビッグバンドジャズフェスティバル」を開催。 昨年は島外5回、島内6回の出演をこなす。今後、各種イベント、パーティ、研修会、老人や障害者施設、学校などで出演依頼があれば出向いて行く予定。
第11回淡路文化協会文化賞 受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞
出口 隆夫(でぐち たかお) (詩吟部門 淡路市)
永年に渡り、旧一宮町に於いて文化活動に貢献し町内での信望が大変厚く、現、淡路一宮文化協会長としてのその手腕を遺憾なく発揮している。一宮地区だんじり唄の復活育成に努力した功績も大きく、また、淡路一宮福祉厚生会副会長として肢体不自由者の文化活動の支援に取り組んでいる。
昭和47年より「紫暁流日本吟奨会」に入会、総本部との連携及び淡路地区270有余会員の長として吟詠道の向上発展のため、永年の努力を認められ、現在「大師範」としてリーダーシップを発揮している。
◇ 文化功労賞
兵庫県立三原高校郷土部
(郷土芸能部門・人形浄瑠璃 南あわじ市)
昭和27年創部で今年で創部55年目を迎えた。半世紀以上の永きにわたり、淡路人形の伝承に積極的に取り組んできた。現在では、浄瑠璃、三味線、人形遣いの三業をすべて生徒が演じており、年間に島内外あわせて20回前後の公演を行なっている。いずれの公演でも高い評価を得ており、特に、平成8年、平成14年に続いて、昨年8月、3度目の海外公演として台湾で公演を行い、地元紙に大きく取り上げられた。
◇ 文化奨励賞
建部 礼子(たてべ れいこ) (音楽部門・ピアノ演奏者 洲本市)
自宅でピアノ教師を務める傍ら、大学在学中に結成した友人と演奏活動を続け、淡路島においても
音楽の素晴らしさを、次代を担う子供たちに伝えようと‟絵本と音楽”をテーマにして、クラッシック音楽
の普及に努めている。2001年からは島内中学校の全校合唱のピアノ伴奏、2006年は南あわじ市立
沼島中学校の全校合唱ピアノ伴奏を、そして、あわじ混声合唱団のピアニストも務め、その活躍は多岐
にわたっている。特に絵本をスクリーンに映し、場面に合わせて音楽を生演奏する独自の試みは、淡
路の子供たちへの音楽普及に多大な影響を及ぼし、今後の活躍が大いに期待される。
第12回淡路文化協会文化賞 受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞
八田 宗楽(ハッタ ソウラク) (茶道部門) 洲本市
茶道裏千家淡交会淡路支部は、淡路花さじきにて県知事との『花を愛でる会』や洲本市の『三熊山まつり』での接待のほか、各市町のイベント等に数多く参加協力いただいおります。
八田宗楽氏は茶道裏千家淡交会淡路支部の幹事長を6年もの永きにわたり務められ、現在も茶道裏千家淡交会淡路支部においては名誉師範として重鎮的存在でご指導いただいております。現在、茶道裏千家淡交会淡路支部の名誉師範は八田宗楽氏だけです。淡路文化協会にも長い間、代表として出席されていました。
◇ 文化功労賞
松井 豊清(マツイ ホウセイ) (華道部門) 洲本市
淡路いけばな協会は、昭和30年代の発足以来、華道七流派が協力し淡路島に於いて今日まで活動を継続しており、淡路文化協会には発足時より加盟し、貢献していただいております。
昨年9月14日・15日にはふれあいの祭典『兵庫県いけばな展』が16年ぶりに淡路島で開催され、淡路いけばな協会の会員が協力して多くの作品を出瓶し、多数の来場者を迎え好評を博し成功しました。他にも『洲本市図書館まつり』『洲本市文化協会文化祭』など淡路の文化活動の活性化に努めてきました。
◇ 文化奨励賞
兵庫県立津名高校放送部 (メディア部門) 淡路市
高校放送部は、一貫して淡路島を題材にし、音声や映像などのメディアを
使って作品を作り続けています。例えば、淡路市在住の画 家を取材した「鼻
町一夫さん77歳」や五色町のホースセラピーを取り上げた「人を癒す、馬が
癒す」、国生み伝説を検証した「おのころ島を探せ」、津名高校のパイプオル
ガンの復活を取材した「甦った音色」など内容は様々です。
平成19年度は、淡路弁について取材した「淡路弁だぁ」はNHK杯全国高校放送コンテストで全国大会に出場。さらに、終戦の年に阿那賀沖で予科練生80余名が犠牲になった悲劇を伝えた「伝えたいこと」では兵庫県高等学校総合文化祭において金賞を受賞し、高い評価を受けました。
◇ 文化奨励賞
藤間 彩有(フジマ サイユウ) (舞踊部門) 洲本市
島内にて3才から舞踊を始め、大学卒業後、藤間宏輔師(豊宏師・大阪)に師事。現在は淡路民謡祭実行委員長として『淡路島まつり』への参加に、おまあや復興会や洲本高校の舞踊指導のほか、県立淡路いざなぎ学園・洲本市公民館市民講座・由良公民館・藤間流子ども日本舞踊教室等の講師を務める。藤の会A・藤の会B・楽踊会・一宮藤の会・津名松の会・北淡濃紫会の指導をされています。藤間彩有氏は、永年にわたり地域のボランティアに参加して島内外各地で伝統的日本舞踊の普及に努めるとともに、公民館や老人大学のほか、こども教室などでも指導されています。地域おこしの復興委員や実行委員長を数多くされ、今よりの一層の活動、活躍を期待します。
第13回淡路文化協会文化賞受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞
前池 文夫(雅号:清泉)(まえいけ・ふみお:せいせん)
(雑俳 南あわじ市)
前池氏は淡路雑俳の長い歴史の中の一時代を築き、淡路雑俳界の貢献者の一人である。大正15年生れで句歴は長く、昭和21年に淡陶株式会社に入社し、職場の文芸として淡路雑俳が非常に盛んであった。昭和27年から本格的に雑俳を始め、60有余年の句歴を誇り数多くの名吟を残している。昭和59年4月から北阿万地区で淡陶出身者を中心として「婦多葉吟社」を発足させ、数多くの後継者を育てた。若い時代から淡路雅交会や淡路雑俳研究会の選者も務める。また、温厚誠実な性格が認められ25年間も淡路雅交会の会計、そして第14代淡路雅交会会長の要職を全うし、現在顧問として活躍中。
近年の活躍は雅交会会長時代に永年の雑俳界の夢であった淡路雑俳史「雅彩上巻」発刊の礎を築き、一松編集長(現雅交会会長)始め編集委員を取り纏め陣頭指揮を執って発刊にこぎつける。また、北阿万農協を後援として北阿万雑俳道場を開き、新人の養成にも貢献。現在も福良地区での吟社の再発足にも情熱を傾けている。
(淡路雅交会顧問)
◇ 文化功労賞
桝井 正子(ますい まさこ) (美術工芸 南あわじ市)
戸塚刺繍協会は日本に伝わったヨーロッパの刺繍を日本人の感性に合わせて色々なステッチを組み合わせ立体感のある戸塚刺繍独特のステッチを生み出して高齢化時代の女性の文化向上を目指して日常生活に彩りと豊かさを添え針と糸で表現する。
1966年、主人の仕事の都合で神戸に転宅、戸塚刺繍協会・戸塚貞子会長の「刺繍を通じて明るい家庭、平和な家庭づくり」の理念に惹かれて初めて受講、やがて芦屋の文化教室での指導などを経て1982年淡路に帰り、この年に洲本市民会館で第1回淡路島刺繍展を開き、同時に淡路支部を立ち上げる。以後、2年ごとに会員生徒の努力、勉強の結晶として展示会を開催。
現在約60人の会員の中には数人が師範会員に成長、市民講座や個人教室の指導にあたっている。1989年より本部派遣講師を務め、現在は京都支部へ月三回師範研究会にて日々技術の向上に研鑽しています。一方島内では数人の師範会員が立派に成長し市民講座、個人教室に指導活躍しております。2000年師範総代に昇進。(戸塚刺繍協会淡路支部代表・戸塚刺繍協会本部派遣講師(師範総代)・淡路文化協会会員・南淡文化協会役員(会計)・民生児童委員他)
◇ 文化奨励賞
佐竹 裕子(さたけ ゆうこ) (音楽 洲本市五色町)
洲本市文化協会加盟のコーラスグループ“五色すこやかハーモニー”を平成6年より五色町高齢者生きがい教室の伴奏者として11年間勤め、平成17年より同団体の指揮者として現在に至るとともに、淡路合唱連盟加盟の南あわじ市老人大学の中のコーラスグループ“グリーンエコー三原”で平成8年より伴奏者として9年間勤め、平成17年より同団体の指揮者として現在に至る。両団を年一回、全国各地で開催される全日本オールドコーラス大会に参加させる。また、平成20年度より全日本オールドコーラス連盟の常任理事に就任し、全国の高齢者と淡路島の高齢者の交歓に努めている。芦屋市のコーラスグループとも定期的に演奏会を行なう。
平成13年より・洲本市五色町老人大学講師、大阪音楽大学音楽出身者とアンサンブルを結成、島内外の施設にて演奏活動を広げる。昨年度は西宮芸術センターにて奨励賞を受賞。平成12年より人形劇団“わややん”、平成13年より“五色町おはなし隊”ピアノ伴奏者として島内の保育園、小学校へ年間10回以上の公演活動を継続。
五色町保育園園歌の作曲。五色町交通安全協会うさちゃんクラブのテーマソング作曲。音楽大学で得た技術を生かし、幼児から90歳までの幅広い年齢層に音楽のすばらしさを伝えるとともに淡路の音楽文化の向上を指し活動を続けている。(ピアノ教師・洲本市文化協会・淡路合唱連盟・全日本オールドコーラス連盟)
◇ 文化奨励賞
県立津名高等学校ギターマンドリン部
(音楽 淡路市)
昭和33年(1958)に創部し、本年度で創部五十周年を迎えた。「聴衆魅了する演奏」を目標として日々練習に励んでいる。その結果として、昨年7月に行なわれた第38回全国高校ギターマンドリンフエスティバルにおいて『朝日新聞社賞』を受賞のほか、昨年度は淡路青少年本部長賞を受賞。県のみならず全国でも高い評価を得ている。地域の活動においても、地域住民を招いたふれあいコンサートや淡路特別支援学校、高齢者施設「ナーブ」での訪問演奏などのほか兵庫県ふれあいフエスティバル等の依頼演奏を積極的に行なっている。
第14回淡路文化協会文化受賞者の紹介
◇ 文化功労賞
細田 先山(ほそだ・せんざん) (書道 淡路市)
40年近くにわたり書道に精励し、島内は無論のこと中央書壇に於いて各団体の発展にも大きく貢献している。特に、淡路書道連盟を中心となって結成し、島内の書道技術の向上と発展に大きく寄与した。書風は楷、行、草、篆、隷の五体を能くし。特に、行草作品は評価が高い。また、優れた指導力を持って門人の育成にも力をそそぎ、読売書法展、日本書芸院展、兵庫県書作家委協会展、洲本市展等に入選、入賞者を多数輩出している。(日展会友(入選十回)、読売書法会理事・審査員、日本書芸院評議員・審査員、兵庫県書作家委協会常務理事、洲本市展運営委員、淡路書道連盟理事長)
◇ 文化功労賞
県立淡路高等学校一宮校 情報・放送部
(メディア 淡路市)
兵庫県下でたった4校しかない分校。その淡路島に残った分校の古き良き伝統を中心に、ラジオ番組を制作し、全国へと情報発信し続けてきた。平成19年からNHK杯全国大会に3年連続出場、21年度は三部門への出場を果たし、うち一作品が入賞した。22年度の閉校を前に、生徒たちは少人数になる状況下ながら、有終の美を飾るべく努力している。
【実績:賞として重みのある順】
・平成21年 第56回NHK杯全国高校放送コンテストラジオドキュメント部門優秀賞受賞(全国3位)
・平成19年 第54回NHK杯全国高校放送コンテストテレビドキュメント部門優良賞受賞(全国4位)
・平成19年 第2回高校生メディアコンテンツグランプリ受賞
・平成21年 第3回高校生メディアコンテンツグランプリ準グランプリ受賞(※東京工科大学主催、フジテ
レビラボ協力)
◇ 文化奨励賞
木下 麗央(きのした・れお) (美術 洲本市)
入学当初より美術部に所属し、非常に熱心な活動状況である。人物を中心としたモチーフの油彩品画を継続テーマにしている。本人の非凡な描写力や表現への誠実な姿勢が認められ、1年生で 平成20年度の兵庫県高等学校総合文化祭美術・工芸部門に出品した「光のはざまで」が第33回全国高総文祭 三重大会に推挙され参加した。
また、2年生となった今年度の県高校総合文化祭に出品した「放課後の眼差し」が2年連続で全国高総文祭に推挙され、平成22年8月の宮崎大会に参加予定である。本人の粘り強い制作姿勢は、所属する部活動全体の雰囲気に大きく寄与し、学校の知名度を大いに高める役割を果たした。今後も作品制作を通して表現力をさらに高め、発表していく人物として推薦いたします。(県立洲本実業高等学校美術部)
◇ 文化奨励賞
円山 伸康(芸名:吉田新九朗)(マルヤマ・ノブヤス)
(郷土芸能・人形浄瑠璃 南あわじ市)
昭和59年、南淡中学校郷土芸能部の第一期卒業生として期待を集め入座。淡路人形座では故吉田東太郎師匠につき修行。同年オランダ・ベルギー公演に参加。翌昭和60年の春には『傾城阿波鳴門』のお弓の主遣いを任されるようになる。昭和61年、オーストラリア・ニュージーランド公演では『絵本太閤記』の光秀を遣う。
昭和60年以降入座した若手座員の良き先輩として、後輩の指導にも熱心である。平成11年以降は淡路人形座の国内外の公演や常設館での花形役者として喝采を浴びている。
平成5年より兵庫県立三原高等学校郷土部の指導。平成12年より長野県伊那四座の人形指導も行い、人形遣いの技術指導や島内外の学校でのレクチャーなど、人形浄瑠璃の振興に努力している。今年度は、淡路らしい外題復活公演をするため、『賤ヶ嶽七本槍』に積極的に取り組み成果をあげている。
淡路人形浄瑠璃を通じて、淡路の文化の魅力を伝え続けている彼こそ、文化奨励賞にふさわしいと推薦いたします。(淡路人形協会座員 人形遣い)
第15回淡路文化協会文化受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化奨励賞
八田 宗楽(ハッタ ソウラク) (茶道部門) 洲本市
茶道裏千家淡交会淡路支部は、淡路花さじきにて県知事との『花を愛でる会』や洲本市の『三熊山まつり』での接待のほか、各市町のイベント等に数多く参加協力いただいおります。
八田宗楽氏は茶道裏千家淡交会淡路支部の幹事長を6年もの永きにわたり務められ、現在も茶道裏千家淡交会淡路支部においては名誉師範として重鎮的存在でご指導いただいております。現在、茶道裏千家淡交会淡路支部の名誉師範は八田宗楽氏だけです。淡路文化協会にも長い間、代表として出席されていました。
(茶道裏千家淡交会淡路支部参与)
◇ 文化奨励賞
東 雅雄(雅山)(ヒガシ・マサオ) (水墨画・洲本市)
温厚篤実な教員として敬慕され安乎小学校退職後、中川原公民館長として短歌講座(サラダ歌人クラブ)や歴史探訪講座を開設して多くの受講生を輩出。児童の情操教育に資する「かるた」や「昔ばなし」を出版・配布して地域社会の文化向上や町おこしに熱心に取り組んでいます。
全国的に活躍している水墨画では淡路の風景と佛・短歌を入れて画くなど市民交流センターや洲本図書館市民まつりなどに展示や講座の講師として活躍中。「水墨画北京オリンピック」に日本代表として出展し、また「明兆顕彰会」の理事長として、絵本を製作・配布し、学校や各地での講演活動も行っている。
◇ 文化奨励賞
大歳 久美子(オオトシ・クミコ) (邦楽・淡路市)
10歳より森和子氏の下で箏を始める。津名高校を経て平成14年東京藝術大学音楽部邦楽科を卒業し、箏・三絃の奏者として日本国内で幅広く演奏活動を行い、NHK育成会記念公演会やDVD「箏の物語」収録に参加した。中でもふるさと淡路島を拠点に恩返しの思いで、伝統文化である邦楽を中学生、高校生に課外授業として出張指導を行っている。
また、その合間をぬって地元老人ホーム千鳥会などへの慰問活動もしている。そして、特筆すべきは、平成18年から20年までの3回にわたって行われた山口崇氏(長唄)との共演「ありがとう淡路島―邦楽コンサート」―若い世代におくる日本の音楽シリーズは高い評価を受けた。
現在は、2012年に古事記編纂1300年に向けて「大和のまほろば」(神話等を題材にした作品)の企画に取り掛かり来年の演奏会に向けてすでに試聴会も行ったが、その高度な演奏技術はもとより、“くにうみ神話”の紹介を淡路島から発信しようとしているその精神性の高さを大いに評価したい。
第16回淡路文化協会文化受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞
黒田 敏夫(クロダ・トシオ)(地方史・洲本市)
印刷業を営む傍ら、江戸時代の画家 黒田泊庵の子孫にあたるところから書画の研究に取り組まれるようになった。そして創立間もない淡路地方史研究会に入会して、広く淡路の歴史について研究されるとともに長年にわたって会を支えてこられた。
黒田氏の古書や古文書、漢文の解読力は抜群で多くの古書を翻刻(活字にして印刷出版)して
研究資料として提供してこられた。著作物は多く、多彩である。
ことに渡辺月石の研究は特筆に値する。
◇ 文化功労賞
来田 務(キタ・ツトム) (短歌・淡路市)
昭和47年より東浦短歌会発足に関わり、会を盛り上げ、平成17年より会長に就任
し会員の指導に当たり、全淡短歌祭を中心となって運営に当たるなど、淡路島における
歌壇のリーダーとして活躍されている。
歌集「はちこうかい」「給水塔(第一輯~第26輯)」「全淡短歌祭30回記念」等
の発行・編集、くにうみの島「うたびとの歩み」を編集・製本。その他、雑俳集・句
集・点頭集・川柳集の発行に関わる。現在、ふるさとに残る校歌、運動歌、応援歌、俚謡、新民謡、青年歌、祭
り宮入唄、盆踊り音頭など文化的遺産を掘り起こし、郷土文化の発展に尽力され貢献されている。
氏は歌人としてのみならず郷土文化の担い手としての多彩な経歴と実績で、長年に渡るこれらの地道な取り組み
は顕著である。
◇ 文化功労賞
洲本実業高等学校 吹奏楽 (音楽・洲本市)
吹奏楽部は、校内で最も歴史のある部活動の一つで、小編成ながら、自主的で主体性のある十七名の部員で、毎日活発に活動している。
校内文化祭や各種式典での演奏はもちろん、夏の吹奏楽コンクール地区大会で部門金賞、冬のアンサンブルコンテスト地区大会ではクラリネット五重奏が金賞を獲得するなど、大きな成果をあげている。
さらに、毎年恒例となっている地元特別養護老人ホームへの慰問演奏に加え、東日本震災後、部員たちが演奏できることへの感謝を胸に、昨年6月に洲本市内塩屋緑地公園においてチャリティー野外コンサートを開催。今年度58回目の定期演奏会とともに、自分たちの日々の練習の成果や心のこもった演奏を通して地域により深く関わっていく活動をすすめている。
◇ 文化奨励賞
板倉 瑞峰(イタクラ・ミズホ) (ピアニスト・洲本市)
県立洲本高校を卒業後、ウィーン国立音楽大学 大学セミナーにてヂュプロマ取得。クールシュヴェール夏季国際音楽アカデミー受講。ウィーン国際ピアニストコンクールファイナリスト。これまでに、アボ・クュンチアン、マリア・シュラバー、バトリック・シグマノフスキー、ヴォルフガンク・ヴァツインガーの各氏に師事。
2010年2月、20th Aniversaryリサイタル開催(洲本)、2011年10月、リスト生誕二百年記念リサイタル開催(洲本)、2012年1月、ショパン音楽大学ピアノセミナディプロマ取得者によるジョイントコンサート開催(洲本)、2011年、淡路フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会にて、グリーク作曲「ピアノ協奏曲イ短調」と2012年の同オーケストラの定期演奏会ではラフマニノフ作曲の「ピアノ協奏曲第2番」を演奏した。この2曲の協奏曲は大曲で至難な曲であるが、淡路のピアニストでは初のことである。
今後の活躍が楽しみである。淡路にとってはすばらしいピアニストの出現!!
第17回淡路文化協会文化受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞
中谷 のぶ(ナカヤ・ノブ) (俳句・南あわじ市)
南あわじ市俳句仲間の一番の先達であり、今なお矍鑠として後輩の指導をされ、各
大会の選者は言うに及ばず郭公の広田句会、倭文句会、草笛句会など持前の寛容な心
と優れた指導力で導いて居られます。俳句作家の高齢化に対処すべく生徒・児童の俳
句入門の手引きもされ若年層の育成も心掛けて居られます。
第18回淡路文化協会文化受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞
宗 宗玉(ムネ・ソウギョク) (茶道・淡路市)
永年茶道の道を修め、裏千家淡交会淡路支部幹事・幹事長を四年間務め現在は参与として貢献している。そのほか、裁判所の調停委員を始め、公民館茶道教室や学校茶道の育成と発展に尽力を惜しまず、またお菓子作りや料理教室の講師などにと無報酬で頑張っておられます。人格は誠に穏やかで、先生を慕って大勢の方が薫陶を受けております。
◇ 文化功労賞
大濱 恵史(オオハマ・ヨシヒト) (詩吟・南あわじ市)
平成12年4月~南淡町賀集公民館長就任時よりパソコン教室を開催し、ボランティア講師や小学校週休二日制に伴い「土曜チャレンジ教室」に毎回講師として活動、各種紙飛行機の作り方、昔の物作り「ワラ草履」「むしろ」の作り方等で子ども達に指導する。昭和49年に紫暁流日本吟奨会(詩吟)、入会後、淡路地区本部長、総本部副理事長などを経て現在、指導資格大師範として多くの会員及び指導者の育成に努めている。
淡路地区30周年記念大会の実行委員長や構成吟『美しい淡路島』と題して舞台構成を手掛けその後、各5周年毎の記念大会をすべて構成演出監督を務める。昨年、淡路地区50周年記念大会において「淡路島の文学碑を訪ねて」を企画構成音楽担当および監督として、古今の淡路島出身の歌人俳人の作品を取り上げた。文化芸能に優れ、南淡文化協会や地域の文化活動に多大な貢献をしている。
◇ 文化奨励賞
南あわじ市立南淡中学校郷土芸能部
(郷土芸能・南あわじ市)
南淡中学校郷土芸能部は、
創部30周年を迎え、島内外
で活躍をしており、全国でも
珍しい人形浄瑠璃を継承して
いる団体で、中学生が太棹三
味線を演奏し、浄瑠璃を語り、人形を遣うレベルは群を抜いてい
ます。演目も、三年間で「絵本太閤功記十段目」、「壺坂霊験
記」、「戎舞」、「日高川入相花王」、「恋女房染分手綱」の五
外題を上演できるまでになります。公演先も、東京・福岡・地元
の老人施設などの慰問活動など積極的に取組み、お客様からの拍
手、暖かい励ましや感謝の声を励みに500年の伝統を受け継い
でいます。
◇ 文化奨励賞
南あわじ市立三原中学校郷土部
(郷土芸能・南あわじ市)
淡路人形芝居発祥の地にある三原中学校郷土部は、創部30周年を迎えます。
平成25年度の活動は、延べ26回をこなし、県外は愛媛県や地元の老人ホームや福祉施設の慰問、小さい時から親しみを持ってもらおうと保育園での公演などに積極的に取組み、子ども達の笑顔や暖かい拍手を励みに技芸向上をまざし毎日頑張っています。演目も、三年間で「鬼一法眼五条橋」、「伊達娘恋緋鹿子 お七」、「戎舞」、「傾城阿波の鳴門」、「生写朝顔日記」、「寿式三番叟」の六外題を演じられるようになります。今回の受賞により今後、淡路人形浄瑠璃の後継者として誇りに思いより幅広い活動につながっていくでしょう。
第19回淡路文化協会文化受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞
稲山 忠利(イナヤマ・タダトシ) (俳句・南あわじ市)
青年の頃より俳句を始められ、熱心に勉強しながら農業を本職とする傍ら、休むことなく俳句の努力を怠らない真面目で誠実な人格者であり多くの同人に慕われている。
俳誌「鉾の同人」(現在廃刊)、「七曜俳句会」の代表として多くの人を指導し、淡路島の俳壇の発展に寄与してこられました。50年以上の俳歴があり全淡俳句大会の選者として現在も活躍されています。
◇ 文化功労賞
繁田 文代(シゲタ・フミヨ) (大正琴・南あわじ市)
徳島市内の大正琴の家元に通い講師資格を取得して現在も大師範として毎週一回、徳島での講師会に出席し、技芸を磨いている。大正琴の指導は、昭和57年(1982)潮風会設立と同時に始まり、南あわじ市内の公民館活動での指導グループは六団体。平成26年には『鳴門海峡の渦潮を世界遺産にする市民運動を盛り上げよう』と提唱。南あわじ市や鳴門市内の大正琴・銭太鼓グループに呼びかけて「世界遺産登録推進交流演奏会」を催した。
ほかにはアメリカ・カーネギーホール出演(家元の講師グループ)東京公演、九州公演(同)などと、大正琴の普及・演奏技術向上に努めている。
◇ 文化奨励賞
中川 真由美(ナカガワ・マユミ) (和太鼓・南あわじ市)
大阪芸術大学演奏学科打楽器専攻卒業後、島内外で精力的に演奏活動を展開して、これまで島内ではほとんど認知されていなかった、「マリンバ」・「打楽器」というジャンルの音楽の普及に努めてきました。また、高校講師を務めながら島内吹奏楽部の打楽器パートの生徒育成にも尽力し、後進の指導にも力を注いできました。平成10年、阪神淡路大震災に見舞われた淡路島に活気と元気づけたいとの思いから、「鎮魂と希望の太鼓」を演奏。それをきっかけに、和太鼓グループ「美鼓音」を設立。平成12年には女性の新しいコミュニティ作りを目指し「美鼓音パートⅡ」も結成され、島内外の様々なイベント・演奏会に参加・活躍し、プレーヤーとしてはもちろん演奏指導・作曲もすべて手がけています。両グループの演奏曲はすべてオリジナル曲で淡路島の四季折々の風景や民話などをモチーフにし、郷土に根ざした活動を展開されています。
最近では、「美鼓音・美鼓音パートⅡ」の活動のほか、芸術鑑賞会や慰問演奏、各種演奏会への出演、伊弉諾神宮新春和太鼓演奏など、個人としても多忙を極めておられます。また島内6チームの和太鼓グループを指導、楽曲提供もされ、地域の音楽家の発掘や地盤作りにも貢献されています。
◇ 文化奨励賞
野水 秀穂(ノミズ・ヒデホ)(文芸・南あわじ市)
県立淡路三原高校の国語文芸部に所属(平成27年3月卒業)し、小学校時代より読書感想文や作文などで多くの作品で入賞を勝ち取ってきました。
平成24年度、税の作文で洲本市長賞、兵庫県読書感想文学校図書館賞などの平成25年度、全国高校文芸コンクール小説部門「最後の一行」で優秀賞・読売新聞社賞を受賞。
淡路島で盛んな「雑俳」にも興味を持ち研究会にも参加するなど、その将来性には豊かな感性なものがあり有望視されます。
第20回淡路文化協会文化受賞者の紹介(敬称略)
◇ 淡路文化協会40周年記念特別賞
大鐘 稔彦(オオガネ・トシヒコ) (文学)南あわじ市
・南あわじ市阿那賀診療所院長・千鳥短歌会
病院在勤中6000件もの手術を経験て、1999年に30年執ったメスを置き僻地医療の充実に燃え、淡路島を終の棲家として来島。南あわじ市の診療所に勤務する現職の医師の傍ら執筆活動を続けておられます。
医師であり、小説家、エッセイスト、紀行文やコミック本の執筆など多忙の中、淡路文化協会加盟の千鳥短歌会でも活躍をされている。特に小説「孤高のメス」がベストセラーになり映画化され大ヒットしました。
◇ 文化功労賞
東良 重夫(峰月)(ヒガシラ・シゲオ(ホウゲツ)) (雑俳)南あわじ市
平成22年に淡路雅交会第16代会長に就任して2期目になり、この7年間は古い伝統を継承してきましたが、近年会員の高齢化に伴って会員数も減少傾向にある中、良き伝統を守りつつ、今の時代に合った改革を陣頭指揮をとって推し進め、後継者の育成等に尽力されています。
◇ 文化功労賞
小林 健司(コバヤシ・ケンジ)(郷土芸能)南あわじ市
永年にわたり、だんじり唄を普及するため小学校及び祭礼団、地域団体を指導するとともに、三原だんじり唄保存会青年部を設立し、初の海外公演を実現。併せて各種交流会を実施・継続するなど、地域の活性化とだんじり唄の振興に貢献した。
また、子ども達にだんじり唄という地域文化に触れさせることにより伝統芸能のすばらしさを体験すると共に健やかな成長に寄与し保護者の期待に応えている。子ども達にはだんじり唄のみならず、伝統芸能の発表の場を提供することにより、舞台での緊張感を味わい、練習の積み重ねによる協調性と上達を実感させることによって、子どもたちの健全育成に貢献している。
◇ 文化奨励賞
竹本 大二朗(タケモト・ダイジロウ(音楽)洲本市
11年余りにわたり、あわじ混声合唱団指揮者として、淡路合唱連盟や洲本文化協会、洲本図書館市民まつり等の諸事業に貢献してきたほか、「1日限りの男性合唱団」での指揮やコラボッチェメンバーとして淡路島内での音楽活動に参加するなどして、淡路の音楽・文化啓発に貢献してきた。
◇ 文化奨励賞
近江 美佐(オウミ・ミサ) (翻訳業)洲本市
高校時代から英語が堪能であり卒業後、大阪女学院短期大学英文科で学び、在学中に関西学生英語コンテストで優勝するほどの実績をもつ。翻訳家を目指し、2006年から雑誌の翻訳の仕事につく。日本の翻訳家の第一人者の田村義進氏に師事し、3年がかりで『世紀の名作はこうしてつくられた』エレン・F・ブラウン/ワイリー2世著を一灯舎より出版し翻訳家デビューを果たす。現在は淡路市児童英会話の講師をしながら、翻訳を続けており、本年3月にジョン・R・ギリス著『沿革と20万年の人類史―「境界」に生きる人類、文明は海岸で生まれた―』300ページ強の大著を翻訳出版予定である。さらに『シカゴマニュアル』(アメリカの作家・編集者の手引き文法論)を翻訳中である。数年がかりで、じっくりと腰を落ち着けて翻訳する真面目な仕事ぶりは特筆に値し、今後の活躍が大いに期待できる人
第21回淡路文化協会文化受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞
高田 弘文(高田 菲路)(タカタ・ヒロフミ(タカタ・ヒロ))(俳句・洲本市)
38年間続いている「淡路島俳句大会」の運営での実行委員や代表選者を務めるとともに、「永田青嵐顕彰全国俳句大会」では副実行委員長として八年間にわたり大会の運営に多大なる貢献をされてきました。また「永田青嵐顕彰全国俳句大会」では、高濱虚子の孫にあたる稲畑汀子ホトトギス名誉主宰を永田青嵐顕彰全国俳句大会の代表選者に導いたのは高田氏でありその功績は誠に大きいものがあります。
各所の公民館活動等で俳句教室を開催。俳句で子供たちに淡路島の素晴らしさを唱え、俳句を通して日本語の美しさを生涯教え続けています。
◇ 文化功労賞
淡路フィルハーモニー管弦楽団
(アワジフィルハーモニーカンゲンガクダン)
(音楽・洲本市)
平成2年設立の「淡路弦楽合奏団」を経て、‘6年には「淡路フィルハーモニー管弦楽団」と名称を変更。毎年定期演奏会では満員の観衆を魅了する演奏を行っている。楽器を演奏出来ない初心者達を島外のプロの演奏家の指導を受け、毎年演奏会を開催するなど、全国でも類を見ない団員養成型のオーケストラに育て上げ、未就学児から70代までと団員の年齢構成は幅広く、大人と子どもが一緒になって活動しているのが大きな特徴です。生演奏を聴く機会の少ない島民に無料で鑑賞する機会を提供し続けていることは学校教育だけでは充分とは言えない音楽を通した心の教育と異世代間交流の出来る活動の場の提供という、社会教育の側面からも大いに貢献されている。
◇ 文化奨励賞
前田 幸一(マエダ・コウイチ) (美術・陶芸 南あわじ市)
学生時代に恩師の影響で「古伊賀」の魅力に惹かれて作陶を開始。淡路島に帰省して農家を継ぐ傍ら、自宅敷地内に登り窯を築き、その後20余年 土と炎の芸術に取り組んできた。
古伊賀は日本陶器の最高峰といわれ、侘び寂びといった日本文化を代表する焼き物であるが当時の窯や文献が残っていないため、独自の工夫による実験的な追体験の陶芸法で、窯焼きの一回一回が真剣勝負であり、未知との遭遇でもある。
工房で陶芸教室を開いて陶芸の裾野を広げるとともに、展示室に作品を並べ来訪者に古伊賀の魅力を説き続けている。
◇ 文化奨励賞
喜田 和大(キダ・カズヒロ)(音楽・洲本市)
卒業後地元に戻り、ウェーブアプリの開発に関わるなど地域の活性化に尽くす傍ら、平15年より「洲本吹奏楽団」のホルン奏者として活躍し、‘20年より団長に就任。その頃から年一度の定期演奏会のほか、異なる分野の音楽団体や演奏者とコラボする演奏会を毎年企画開催する。また、国生み神話をテーマとしたオリジナル吹奏楽曲『淡い花の夢路』を委嘱制作し世界初演を果たす。同楽曲は島内の吹奏楽部に無償提供され、高校合同による演奏や近畿総合文化祭で演奏されるなど、次世代に受け継がれている。団としては、市の各種行事への出演や福祉施設への慰問演奏など積極的な活動を続けることにより、市民の多くの音楽ファンを増やすと同時に、この数年の若い層の団員増と団の活性化に貢献している。‘27年7月に新たに創設したオカリナグループ「ガチョウ倶楽部」を結成。ライブ演奏を行うほか、特産の淡路瓦を使ってオカリナを制作するなど、喜田氏の人柄も相まってグループは驚異的な成長を続けている。
◇ 文化功労賞部門
大星 たかし(俳句・淡路市)
昭和35年より岩屋句会を指導。その後、北淡句会、七星句会、白菊句会(明
石)などを指導する。淡路島俳句大会は、発足当初より運営委員並びに選者とし
て加わり、その運営についてしばしば改革し現在に至る。
「続・俳句で詠む淡路島百景」の選者を務めるなど、長年にわたって俳句を主に
した地域文化の向上に貢献している。
第22回淡路文化協会文化受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞部門
吉田 憲三(芸術、水墨画・南あわじ市)
高校入学時から洋画を始めその後、水墨画やアクリル画・油彩画にチャレンジする。公民館講座では絵画
教室を始めるとともに南淡文化協会設立から水墨画教室を立ち上げ指導にあたる。
個展には100号を超す大作に取り組み自らの芸術を探求し続けており、会友仲間たちへの長年にわたる指導や
絵画制作を通して、地域の芸術文化の創造と文化の振興に大きく貢献している。
◇ 文化奨励賞部門
三原志知小学校 和太鼓「志童」(音楽)
全校生28名の小規模校ながら全児童で和太鼓に取り組み5年となる。島内外で多くの公演をこなすなど
をして認知度が高くなっています。一昨年には、東京でFM大阪主催の「小さな音楽会」全国コンクールで
銅賞を獲得。そして昨年は長野県での「国宝松本城太鼓まつり」に出演するなどして自信になったことと思
います。各地区で多くの催しに参加して『地域を太鼓の音色で元気に』を合言葉に活躍しています。
◇ 文化奨励賞部門
増井 玖玲亜さん(淡路三原高3年)(書道・南あわじ市)
全国の書道を志す高校生の憧れであり目標とする「全国高校総合文化祭書道展」に出
品が決定。平成29年度、兵庫県高校総合文化祭書道展において全国総文推薦賞を受賞
され、平成30年8月に行われた全国総合文化祭「2018信州総文祭」に各都道府県
の代表として推薦・選抜された。あらゆる分野の大字から密書まで、さまざまな表現形
態で臨書や創作の作品が出品され、現代の高校生の研ぎ澄まされた感性、卓越した技術
の集大成となります。今後の活躍が期待されます
第23回淡路文化協会文化賞 受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞部門
木下雅松(弘康)(雑俳・南あわじ市)
俳歴が38年に及ぶ雑俳人で、これまで全島の大会(淡路雅交会2回、淡路雑俳研究会3回)で点頭(優勝)している宗匠の一人です。木下氏は私財を投入して近畿財務局(旧三原法務局)跡地を入手し淡路雅交会に提供。江戸時代から伝わっている古い資料の収集と保存を目的に「淡路雅交会・淡路雑俳資料館」を開設。
これまでの実績を生かし句評等を通じて後継者の指導育成や会員の親睦を図る行事も企画のほか、淡路雅交会では会計・庶務担当の理事として裏方的な役職に徹してきた。
◇ 文化功労賞部門
淡路人形浄瑠璃青年研究会(郷土芸能・南あわじ市)
昭和46年、淡路人形研究会(昭和52年に「淡路人形浄瑠璃青年研究会」と改称)を発足。昭和53年、東京九段会館に於いて「第27回全国青年大会郷土芸能の部」に出演して『優秀賞』を受賞。その後、昭和54年にアメリカのディズニーランドの日本祭に参加や北海道平取町との友好の調印式での出演などのほか、「徳島国民文化祭」「武庫川女子大・関西文化センター」「但馬こどもまつり」「奈良県五條市」「兵庫県たつの市」など多くの公演を行ってきた。
会員の年代も 10代から60代までの幅広い年代が集い、人形芝居後継者団体発表会や文化芸能祭に出演や、機会があれば各地で公演活動を行っている。淡路の誇るべき「淡路人形浄瑠璃」を全国の人たちに情報発信し、淡路で培われた文化を絶やすことなく、活動を続けている。
◇ 文化奨励賞部門
太田久美子(音楽・洲本市)
高等学校で音楽の教鞭をとる傍ら、少年少女合唱団の指導者として長年、音楽好きの子ども達を導き続けて来られ、淡路の合唱文化振興に大きな貢献をされている熱意ある優れた指導者です。何より特筆すべきは、小学校でのコンサート活動で、淡路の未来を担う子ども達への音楽活動は淡路の文化度を向上させるのみならず、子ども達の豊かな心の涵養にも大きな成果を上げています。
現在、淡路では音楽の分野において牽引する方々の多くが少しずつ高齢化されている実情があり、その中でこれからのバトンを受け継ぐ年代の芯となる存在です。
◇ 文化奨励賞部門
多田久美子さん(淡路三原高3年)(舞踊・洲本市)
30代の頃から嵯峨御流の師範として洲本で華道教室を開き活躍していたが、同時に大阪・神戸のフラ教室にも通い、本場のフラの楽しさや魅力に引き込まれ、淡路島の人たちに伝えたい、広めたいという思いが強くなって華道教室を閉じてフラ教室一本に専念。
平成16年秋に「ケ・アラ・スクールオブフラ淡路教室」(現、ビリーレイプア・クミコ・フラスクール)を開講。以来、洲本市文化体育館を練習場の拠点に現在は島内12ヶ所の教室にレッスン生は百名を超えるまでになり今年で15年目となり、ハワイの伝統文化であるフラを淡路島中に広め根付かせるまでになった。
彼女のあくなき向上心、現状に満足することなく高い目標を持ち、毎年定期的に本場のハワイ各島に行き、自身の技術をさらに高めるべく研鑽に努めている。
第24回淡路文化協会文化受賞者の紹介(敬称略)
◇ 文化功労賞部門
山口 友三(ヤマグチ・ユウゾウ) (郷土芸能・淡路島踊り 洲本市)
・淡路島踊り保存会「葵連」連長(代表) ・洲本市文化協会理事
淡路島踊保存会葵連の連長として長年、連を牽引してこられ、淡路島まつりでは第1回から昨年までの72年連続の参加。島まつり以外にも各種のイベントに積極的に出演するなどをしながら、踊りの手ほどきや歴史を語るなどして、淡路島内に限らず国内外の方々に淡路島踊りの魅力を多くの人に伝えてきた。昭和42年、「徳島阿波踊り・葵連」の淡路支部として「淡路島葵連」が発足して、連長として今日に至る。また淡路人形浄瑠璃の人形を操っての踊りと奴だこを取り入れた淡路島独特の踊りのスタイルを確立し、多くの人の人気を集めてきた。現在は約50名の連員により、老人ホーム慰問などのボランティアや、ホテル・旅館での依頼にも応える等、地元淡路島の観光にも大きく貢献している。
◇ 文化功労賞部門
柴田 きよみ(シバタ・キヨミ) (俳句)南あわじ市
・郭公淡路句会会員
公務員を定年退職後、中谷畦雪に師事してから俳句に没頭するようになり、昭和60年、飯田龍太が主宰する「雲母」に入会。雲母は現在、北海道から九州まで会員数800余名の会員を有している。また、井上康明主宰の「郭公」の同人として後輩の指導を担われており、面倒見が良く心優しい人柄で、後輩の会員からは大変慕われ、時にはメンバーを自宅に招いて手料理を振る舞うこともしばしば行われている。
月刊誌『郭公』の令和元年10月号では、巻頭句を飾られた。作風は〔自然詠み〕を継承して、淡路島の風景・土地柄を詠んで、日々活躍されています。
◇ 文化奨励賞部門
徳梅 リカ(トクウメ・リカ) (国際交流)淡路市
・NPO法人あわじFANクラブ副理事長、・英語講師(自営)
淡路島の文化や日本・外国文化に対する豊かな共感力と理解力、そして堪能な語学力で外国人居住者や島外からの移住者など、淡路島に暮らす様々人々と20年間以上にわたり交流し、ニーズに合わせて適切かつ親身なサポートを行い人々の生活を根底から支えてきた。日本語・英語・スペイン語を使って、生活・教育・文化の面で幅広くサポートし外国人居住者と島外からの移住者への生活基盤作りと島での新生活を献身的に支え、その後の生活にも細かく気を配り相談に乗り、親交を深めている。また、地域の小学校で国際交流活動や島内で文化交流イベントを企画・運営して、淡路島のあらゆる人々に、淡路島や日本の文化・外国の文化などを紹介して体験してもらうなど人々の交流に多きく貢献している。
明るくて気さくで心根のやさしいお人柄で、様々な人々から広く慕われている。文化を「作品」という形ではなく伝達する「言葉」へと、豊かな「共感力と理解力」を基盤とし「文化交流を通して、様々な人々の暮らしと心に光を灯して温め、人々を励まし、助けてきた」と。「喜んでもらえる喜び」が座右の銘。
◇ 文化奨励賞部門
福井子供会人形浄瑠璃部
(郷土芸能・人形浄瑠璃)南あわじ市
(1971年結成:49年)・南淡文化協会
昭和46年(1971)、鶴澤友路師匠のご指導で浄瑠璃の練習を、翌47年に隅田正子師匠のご指導で人形操りの練習を始めた。毎週土曜日の夜、両師匠の熱心な指導と子供たちの真剣な練習により、回を重ねるごとに上達し、同年11月、上皇明仁陛下と上皇后美智子陛下が皇太子、同妃殿下であらせられた頃、御来島時に御高覧の栄に浴した。以後、学校の夏休みを利用し、東京公演、北海道公演、婦人会、老人会の招きに応じ、毎年数10回 各地で練習の成果を披露してきました。
平成元年、兵庫県、南淡町、淡路人形協会並びに関係各方面の支援により、「南淡町子供人形浄瑠璃館」が完成。平成3年には結成20年に当たり、賀集公民館において記念式典と記念公演を行い、その最後にはОB達による公演も行われました。部員の中から4名が淡路人形座に入座しています。
地域の子供会活動で淡路人形浄瑠璃の継承を49年間持続させることは並大抵なことではなく、地区としての取り組みが、子供の育成と伝統文化の継承が連携している希少例です。
◇ 文化功労賞部門
谷池 さなえ(タニイケ・サナエ) (短歌)洲本市
長年にわたって全淡短歌祭の運営に携わり、島内短歌界のリーダーとして活躍されると共に、公民館などでの短歌指導を通じて斯界の裾野を広げる活動を進め、短歌(短詩形文学)の継承発展に寄与されている。
昭和初期、川原保夫は「新月」「水甕」などの同人となり淡路の短歌界を先導されてきた。その結社「新月」を引継ぎ、担って来られた功績も大きい。
◇ 文化功労賞部門
服部 達明(ハットリ・ミチハル) (古文書)南あわじ市
学校校長を退職後、三原町時代から現在に至る間に、文化財・俳句・伝統文化の保存・歴史的遺産(嵐雪の300年忌、顕彰)かかる事業に貢献されると共に、古文書学習会の代表として多くの人の古文書解読による地域文化研究の推進に寄与。また、『南あわじ市の文化財』『南あわじ市三原文化協会記念誌』の編集などに関わり、地域文化の振興と普及の功績として、大なるものがあります。
◇ 文化奨励賞部門
朗読ボランティア「ひびき」(ロウドクボランティア・ヒビキ)
(朗読)淡路市
平成9年(22年)に朗読ボランティア養成講座の受講生で結成され、当時9名の会員でスタート。以来、広報誌や議会だよりなどをカセットテープに吹き込み声の情報を必要とする人々や活字の苦手な方など希望者に届ける活動を続けています。最近ではパソコンを使ってCDに録音する(デイジー)など新しいことにも挑戦する他、地域開催のミニ敬老会や高齢者のつどいなどでは、地域に古くから伝わっている民話や昔話しなどを取材し、地域で守り続けている石仏などを、写真やスクリーンに映しながら朗読したり、絵本や紙芝居を手作りし子ども達やお母さん達と楽しんでいます。これからも住みよい地域づくりの為に益々ご活躍の様子です。